水筒をうっかり落としてしまい、へこんでしまった経験はありませんか?見た目が悪くなるだけでなく、保温・保冷機能や密閉性に影響が出ることもあるため、水筒がへこんだ場合の直し方を探している人も多いでしょう。
特にサーモスの水筒がへこんだ場合や象印の水筒がへこんだ場合、真空断熱構造が損なわれると機能が低下し、使い続けるべきか悩むこともあります。また、凹んだ水筒は使えるのか?水筒のへこみはなぜ起こるのか?といった疑問を持つ人もいるでしょう。
へこみの程度によっては、自宅で簡単に直せる場合もあります。例えば、ドライヤーを使う方法や熱湯を注ぐ方法などが挙げられます。ただし、ステンレスの凹みをドライヤーで修復するのは必ず成功するわけではなく、逆に塗装が剥がれるリスクもあるため、注意が必要です。
この記事では、水筒の凹みの直し方やへこんだ水筒の修理方法、使用できるかの判断基準を詳しく解説します。水筒のへこみに悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
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水筒がへこんだ場合の直し方と修理の可否

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凹んだ水筒が使えるのか判断するポイント
水筒が凹んだ場合、すぐに買い替えを考える人も多いですが、実際にはそのまま使える場合と使えない場合があります。判断する際は、次のポイントを確認するとよいでしょう。
まず 「水漏れがないか」 を確認しましょう。水筒の凹みがパッキン部分や接合部に影響を与えていると、密閉性が失われて水漏れの原因になります。水を入れて横向きや逆さにし、漏れがないかチェックしてください。
次に 「保温・保冷機能が維持されているか」 も重要です。真空断熱構造の水筒は、内側と外側の間にある空気の層によって温度を保ちます。しかし、強い衝撃で内壁と外壁が接触してしまうと、この断熱層が壊れ、温度を維持できなくなります。熱湯や冷水を入れ、外側がすぐに熱くなったり冷たくなったりする場合は、断熱機能が失われている可能性が高いです。
また、「飲み口やフタがしっかり閉まるか」も確認してください。凹みによってフタやパッキンの位置がずれると、密閉性が損なわれることがあります。特にスクリュー式のフタは、わずかな歪みでも閉まりが悪くなることがあります。
最後に、「異臭や異物の混入がないか」 にも注意が必要です。衝撃で内部のコーティングが剥がれたり、微細な破損が生じていると、金属臭が強くなったり、小さな破片が混入する可能性があります。これは健康にも影響を及ぼすため、異変を感じた場合は使用を控えましょう。
これらのポイントをチェックし、安全に使えるかどうかを判断してください。
水筒は凹んでしまっても使える?
水筒が凹んでも、必ずしもすぐに使えなくなるわけではありません。ただし、使用可能かどうかは凹みの位置や程度によって異なります。
使えるケースの代表例は、外側が軽く凹んでいるだけで、密閉性や保温・保冷機能に影響がない場合です。このような場合、見た目は悪くなっても機能的には問題なく使用できます。
一方で、使えなくなる可能性が高いケースもあります。例えば、凹みが内側まで達している場合や、フタの開閉部分に影響を及ぼしている場合です。また、前述のように真空断熱構造が破損していると、保温・保冷機能が著しく低下します。
さらに、水筒の内側に傷やひび割れが生じている場合は、安全性の面からも使用を避けるべきです。特にステンレス製の水筒では、内部コーティングが剥がれることで金属が直接飲み物に触れ、味や匂いに影響を与えることがあります。
もし凹んだ水筒を使い続ける場合は、定期的に水漏れや機能の劣化を確認しながら使用することをおすすめします。
サーモスの水筒がへこんだ場合の影響
サーモスの水筒は、真空断熱構造によって高い保温・保冷性能を維持しているのが特徴です。そのため、へこみの程度によっては機能が大きく損なわれる可能性があります。
へこみの影響として特に注意すべきなのは、「断熱性能の低下」です。サーモスの水筒は二重構造になっており、間にある真空層が温度を一定に保ちます。しかし、強い衝撃で外壁と内壁が接触すると、この真空層が破壊され、温度を維持できなくなります。その結果、冷たい飲み物はすぐにぬるくなり、温かい飲み物も短時間で冷めてしまいます。
また、へこみがフタやパッキン部分に影響すると、密閉性が損なわれることがあります。水漏れの原因になったり、フタがきちんと閉まらなくなったりするため、持ち運び時に注意が必要です。
さらに、結露が発生することもあります。通常、サーモスの水筒は外側に結露がつかない設計になっていますが、真空層が壊れると断熱性能が低下し、外壁が冷たくなって水滴がつくようになります。これが続く場合は、保温・保冷機能が失われているサインと考えてよいでしょう。
サーモスの水筒がへこんだ場合は、機能を確認し、異常がある場合は買い替えを検討するのが賢明です。
象印の水筒はへこんだら買い替えが必要?
象印の水筒もサーモスと同様に真空断熱構造を採用しているため、へこみの程度によっては買い替えが必要になることがあります。
特に、象印公式の見解では、「本体がへこんでしまうと、内壁と外壁が接触し、断熱性能が維持できない可能性がある」 とされています。この状態になると、わずか数分で外側が熱くなったり、冷たくなったりするため、機能的には通常の水筒と変わらなくなります。
また、へこみがある状態でお湯を入れると、外側が異常に熱くなり、やけどのリスクが高まる ため、注意が必要です。特に小さな子どもが使う場合は、安全性を考慮して買い替えを検討したほうがよいでしょう。
さらに、象印の水筒はフタの密閉性にも優れていますが、へこみによってフタやパッキン部分が変形すると、水漏れが発生する可能性があります。持ち運ぶ際にカバンの中が濡れる原因となるため、しっかり確認することが大切です。
象印の水筒がへこんだ場合、すぐに買い替える必要があるかどうかは、保温機能・密閉性・安全性の3つをチェックした上で判断 するのが良いでしょう。
水筒がへこんだ場合の直し方と具体的な方法
水筒のへこみはドライヤーで直せる?

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水筒のへこみをドライヤーで直せるという話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、実際には成功するケースとそうでないケースがある ため、試す際は注意が必要です。
ドライヤーを使った修復方法は、主に金属が熱によって膨張し、元の形に戻る原理を利用しています。この方法は、比較的薄い金属製品に効果がある とされていますが、水筒のように真空断熱構造を持つ製品では、簡単に戻るとは限りません。
特に、ステンレス製の水筒は頑丈に作られているため、ドライヤーの熱だけで凹みを直すのは難しい ことが多いです。また、内壁と外壁の間には真空層があり、この構造が損なわれると、元に戻すことはさらに困難になります。
もしドライヤーを試す場合は、へこんだ部分を5~10分程度しっかりと温めた後、急速に冷やす 方法を併用すると、わずかな凹みであれば改善する可能性があります。ただし、すべてのへこみがこの方法で修復できるわけではないため、過度な期待は禁物です。
ステンレスの凹みに対するドライヤーの効果
ステンレス製品の凹みをドライヤーで直す方法は、車のへこみ修理でも使われることがあります。しかし、車のボディと水筒のステンレスでは厚みが異なり、効果にも違いがある ため、注意が必要です。
ステンレスは熱を加えると膨張する性質がありますが、水筒のステンレスは厚く、内部に真空断熱層があるため、表面だけを温めても効果が出にくい ことが多いです。さらに、ドライヤーの熱だけでは金属が十分に膨張しない可能性もあります。
また、ドライヤーの温風を長時間当てることで、水筒の塗装が劣化するリスクもある ため、試す際は慎重に行う必要があります。特に、カラーコーティングされた水筒では、塗装が剥がれる可能性があるため、目立たない部分でテストしてから実施すると安心です。
もしドライヤーを使う場合は、冷却スプレーや氷水などを併用し、温めた後に急激に冷やす方法を試す と、成功率が上がる可能性があります。ただし、この方法も確実ではないため、期待しすぎない方がよいでしょう。
熱湯を使う直し方
水筒のへこみを修復する方法の一つに、「熱湯を注ぐ」方法があります。これは、熱によって金属が膨張する性質を利用し、元の形に戻すことを狙ったもの です。
やり方は簡単で、へこんだ部分に直接熱湯を注ぐ か、水筒全体を熱湯に浸ける 方法があります。この際、内側から膨張圧力がかかり、へこみが改善される可能性があります。
ただし、すべてのへこみが直るわけではなく、効果は限定的 です。特に、深くへこんでしまった場合や、真空断熱層が損なわれた場合は、熱湯だけでは戻らないことが多いです。また、保温性の低下につながる可能性があるため、慎重に試す必要があります。
さらに、熱湯を使う際は、やけどに十分注意すること も重要です。特に、水筒を丸ごと熱湯に浸ける場合は、取り出す際に高温になった外側に触れないよう、厚手の手袋を使用しましょう。
もしこの方法を試しても改善されない場合は、他の修復方法を検討するか、新しい水筒への買い替えを考えるのが賢明です。
サーモスの水筒の凹みの直し方のポイント
サーモスの水筒は、高品質な真空断熱構造を採用しており、へこみが発生すると機能に影響が出る可能性がある ため、慎重に対処することが大切です。
修復方法を試す前に、まずどの程度のへこみなのかを確認 しましょう。軽いへこみであれば、ドライヤーや熱湯を使った方法で改善されることがあります。しかし、真空断熱層が破損している場合は、いくら修復しても保温・保冷機能が戻ることはありません。
サーモスの水筒で試せる修復方法として、次の3つが挙げられます。
- ドライヤー+冷却スプレー
へこんだ部分にドライヤーで熱を加えた後、冷却スプレーを吹きかけて急冷する方法です。金属が膨張・収縮することで、へこみが元に戻ることがあります。 - 熱湯を注ぐ方法
内部に熱湯を注ぎ、金属の膨張を利用してへこみを直す方法です。ただし、断熱層が破損していると効果は期待できません。 - 吸盤を使う方法
へこみが浅い場合は、小さな吸盤を使って外側から引っ張ることで、形を戻せる場合があります。
サーモスの水筒は耐久性に優れていますが、無理に修復しようとすると、塗装の剥がれやさらなる破損を招く恐れがあります。試す際は、慎重に行いましょう。
また、サーモスでは基本的に修理対応を行っていないため、保温・保冷機能が失われた場合は、買い替えを検討するのも一つの選択肢 です。
ステンレス水筒のNG行為は?
ステンレス水筒を長く使うためには、適切な取り扱いが重要 です。誤った使い方をすると、劣化が早まるだけでなく、へこみや破損の原因にもなります。以下のNG行為を避けることで、水筒の寿命を延ばし、快適に使用できます。
- 強い衝撃を与える
ステンレス製の水筒は頑丈ですが、強い衝撃を受けるとへこみや変形を起こします。特に、落としたり硬いものにぶつけたりすると、真空断熱層が破損し、保温・保冷機能が低下する 可能性があります。 - 電子レンジ・直火で加熱する
ステンレスは金属なので、電子レンジに入れるのは厳禁です。また、直火で加熱すると変形や塗装の剥がれが発生し、水筒としての機能を失うことになります。温める際は、耐熱カップや電気ポットを使用しましょう。 - 食洗機・食器乾燥機を使う
食洗機や乾燥機の高温と強い水流は、パッキンの劣化や塗装の剥がれにつながる ため、使用は避けたほうが無難です。手洗いを基本とし、柔らかいスポンジと中性洗剤を使って優しく洗いましょう。 - 塩素系漂白剤やクレンザーを使う
ステンレス水筒の内部はコーティングが施されていることが多く、塩素系漂白剤やクレンザーを使用すると表面を傷つける 恐れがあります。頑固な汚れには、クエン酸や重曹を使ったつけ置き洗い を試すのがおすすめです。 - 炭酸飲料やドライアイスを入れる
ステンレス水筒は密閉性が高いため、炭酸飲料やドライアイスを入れると、内圧が高まり、フタが開かなくなったり爆発する危険性 があります。炭酸飲料を持ち運びたい場合は、専用ボトルを使用しましょう。 - 長時間放置してしまう
飲み残しをそのままにしておくと、内部にカビや雑菌が繁殖する 可能性があります。使用後はすぐに洗い、しっかり乾燥させることで、衛生的に使い続けることができます。
これらのNG行為を避け、適切なメンテナンスを行うことで、ステンレス水筒を長持ちさせることができます。
へこみに強いおすすめの水筒
水筒は日常的に持ち運ぶことが多いため、耐久性の高いモデルを選ぶことが重要 です。特に、スポーツやアウトドアで使用する場合は、へこみに強い設計の水筒を選ぶと安心できます。ここでは、へこみに強いおすすめの水筒を3つ紹介 します。
1. タイガー「真空断熱ボトル サハラ」
タイガーのサハラシリーズは、耐久性に優れたステンレス素材を採用 しており、衝撃にも強いのが特徴です。さらに、専用のボトルカバーが付属しているモデルもあり、落下時のダメージを軽減できます。
おすすめポイント:
- 高耐久ステンレス素材を使用
- 衝撃を吸収するボトルカバー付き(モデルによる)
- 直飲みしやすい設計でスポーツにも最適
2. タケヤフラスク「トラベラー」
シンプルなデザインながら、真空二重構造による優れた保冷・保温機能 を備えています。ボトルの作りが頑丈で、へこみにくい仕様になっているため、アウトドアや仕事用にもおすすめです。
おすすめポイント:
- 高強度のステンレス製ボディ
- シンプルなデザインで持ち運びやすい
- フタの密閉性が高く、漏れにくい
3. STANLEY(スタンレー)「クラシック真空ボトル」
アウトドアブランドとして有名なスタンレーの水筒は、ミリタリーグレードの頑丈なステンレス構造 を採用しています。長年愛用できるタフな作りが魅力で、へこみにくく耐衝撃性が高いのが特徴です。
おすすめポイント:
- 圧倒的な耐久性でアウトドアに最適
- デザインがクラシックでスタイリッシュ
- 保温・保冷機能が長時間持続
これらの水筒は、耐久性を重視したい方や、へこみやすい環境で使う方におすすめ です。水筒を長持ちさせるためにも、丈夫なモデルを選びましょう。
水筒をへこませないための予防策
水筒は日常的に使用するアイテムだからこそ、できるだけへこませずに長く使いたい ものです。そこで、へこみを防ぐための予防策を実践することで、水筒の寿命を延ばすことができます。
1. ボトルカバーを使用する
ボトルカバーは、落下時の衝撃を吸収し、水筒がへこむのを防ぐ効果があります。特に、スポーツやアウトドアでの使用が多い方は、クッション性のあるカバーを装着すると安心です。
2. 落としにくい持ち方を心掛ける
水筒を持ち運ぶ際は、滑りにくい素材のカバーを使うか、ストラップ付きのモデルを選ぶ のも効果的です。また、リュックやバッグに固定できるカラビナを活用すると、落下リスクを減らせます。
3. 置き場所を意識する
デスクやテーブルに置く際は、安定した場所に設置 することが大切です。不安定な場所に置くと、倒れて落下する可能性が高くなります。また、車内では専用のカップホルダーに収納することで、転倒を防げます。
4. 子どもが使う場合は注意する
子どもが水筒を使う場合、誤って落としてしまうことが多いです。軽量で持ちやすい水筒を選び、カバーを付けると衝撃を軽減 できます。また、子どもが簡単に持ち運べるサイズを選ぶことも重要です。
5. 衝撃に強い水筒を選ぶ
へこみにくい水筒を選ぶことも予防策の一つです。特に、前述のような耐久性の高い水筒を選ぶことで、万が一落としてしまった際のダメージを最小限に抑えることができます。
水筒は、日々の使い方次第でへこみを防ぐことができます。ちょっとした工夫を取り入れることで、大切な水筒を長持ちさせましょう。
水筒がへこんだ場合の直し方と使用可否のポイント
最後にこの記事の内容をまとめます!